最近、仕事にて「シンクライアント」という言葉を耳にしたので、いろいろ調べて自分なりにまとめてみました。
シンクライアントとは
必要最小限の機能のみ持たせて、アプリケーションの実行やファイルデータの保管などをサーバー側に集中させたクライアント端末のこと。
サーバー側で情報資源を一元管理できるので、情報漏えいやセキュリティ強化を実現できる。
「シンクライアント」の反対の意味として使用されるのが「ファットクライアント」という言葉。
シン=痩せている、ファット=太っている、という意味合い。
ファットクライアントにはアプリケーションやデータなどいろいろ入っていて太っているという感じ。
家などで使用している一般的なPCはファットクライアントになる。
シンクライアントの実現方式
方式 | 画像転送方式 | ネットワーク ブート方式 | ||
---|---|---|---|---|
サーバーベース方式 | ブレードPC方式 | 仮想PC方式 | ||
特徴 | 1台のサーバーを複数ユーザーで共有利用。アプリケーションをサーバー上で実行し、端末に画面情報を転送する。 | ユーザーごとにブレードPCを用意し、各ユーザーが1台のブレードを専有。柔軟なクライアント環境を実現。 | ユーザー分の仮想マシンを用意し、ユーザーごとに1台の仮想マシンを専有。OSやアプリケーションは仮想環境上で実行。 | サーバ側に集約したディスクイメージを使い、個々のPC上でOS・アプリケーションを動作させる。 |
アプリケーション実行場所 | サーバー | サーバー (ブレードPC) | サーバー (仮想PC) | クライアント |
ハード構成 | サーバー + ユーザー数分のクライアント | ユーザー数分のブレードPC + ユーザー数分のクライアント | ユーザー数分の仮想PC + ユーザー数分のクライアント | サーバー + ユーザー数分のクライアント |
サーバーからクライアントへの送信情報 | 画面情報 | 画面情報 | 画面情報 | ディスクイメージ |
クライアントからサーバーへの送信情報 | キーボード、マウス等の入力情報 | キーボード、マウス等の入力情報 | キーボード、マウス等の入力情報 | ファイルの読み書き要求 |
メリット | ・全ユーザーが同じデスクトップ環境を使用するケースに向いている。 | ・既存のアプリケーションはほとんど動作する。 ・ユーザーごとのカスタマイズが容易。 | ・既存のアプリケーションはほとんど動作する。 ・ユーザーごとのカスタマイズが容易。 | ・既存のアプリケーションはほとんど動作する。 ・高性能なアプリケーションを使用できる。 |
デメリット | ・マルチユーザー未対応のアプリケーションは使用できない。 ・ユーザーごとのカスタマイズに制限あり。 | ・ユーザーが増えるたびにブレードPCのコストがかさむ。 ・ユーザーごとのクライアントOSの管理が煩雑になる。 | ・負荷の高い処理を行うと他のユーザーへ影響を与える可能性がある。 | ・ネットワーク負荷が大きい。 |
主な製品 | ・Citrix XenAPP ・Terminal Service(Microsoft) | ・日立 FLORA bd100 等 ・HP bc2500 BladePC 等 | ・Citrix XenDesktop ・VMware View | ・Citrix Provisioning Server Linux |
おわりに・・・
「シンクライアント」と一言で言っても、こんなに実現方法があったとは。
どうやら仕事で耳にしている「シンクライアント」は、仮想PC方式っぽい。
今度は仮想PC方式について、ちょっと掘り下げて調べてみようかな。